【折坂悠太】FUJI ROCK FESTIVAL '21 出演辞退全文

8/22 WHITE STAGE出演を予定しておりました折坂悠太(重奏)ですが、

直前の発表となり申し訳ございませんが、出演を辞退いたします。


  • 出演辞退の申し出を受け入れてくださったフジロック、SMASH、関連各所のみなさま

    感謝いたします。
    楽しみにしてくださった来場者のみなさま、申し訳ございません。

    ご理解いただければと思います。

    折坂からのコメント掲載いたします。




    今回、フジロック出演を辞退します。

    フジロック開催による社会的意義は大きいと思います。
    感染者が一人も出なかったとしても、直接的、間接的にもたらす影響が、遠い場所で、

    死角にいる一人の人生を変えてしまう。

    国と一般企業、負う責任は全く違えど、オリンピックで見てきた光景がそれだと思います。

    舞台に立つ事は、それ自体がメッセージです。今は、想いと整合が取れません。

    一方、苗場に向かいたい、ホワイトに立ち、歌いたいと思っている。

    心に従わなければ、この命は一体何のためなのかと自問しました。

    出る理由と、出ない理由を、同じ量書いて、見比べました。

    出る理由の方がずっとわかりやすく、潔いです。

    しかし、その「潔さ」が、私の望むものなのだろうか?と疑問に思いました。
    私が望むのは、誰もがその人なりの生の実感を持ち、それが守られる社会。

    潔くなくとも考え続け、その結果が、思いもよらない形で実を結ぶ社会です。

    そんな思い描く景色が、夏の苗場にありました。

    2007年に客としてはじめて足を踏み入れてから、虜です。私はフジロックが大好きです。
    この理想郷には、私のような者がいて良いのではないか。これは、フジロックへの信頼です

    2021年8月22日、15時20分、空(から)のステージでもって、

    私の大好きなフジロックを、私は実現したいと思います。

    真っ先に思い浮かぶのは、他のフェスまで同行してくださり、

    ワンマン公演も共に成功させてきたスマッシュの面々。

    私が辞退する事でその日の仕事を失うスタッフ。

    そして誰より、私のステージを楽しみの一つに考え、参加しようと決めた方。

    既に会場入りしてる方もいると思います。

    何を言われても仕方ないと思います。ごめんなさい。

    信頼できるアーティスト、スタッフの方々が、苗場に向かいます。

    きっと同じような迷いと、想いを抱えていると想像します。

    私の知る限り、多くの方が疲弊しています。なぜこんな苦しい判断をさせられるのか。
    一般企業や国民に多くの責任を負わせ、必要のない分断を加速させる構造を作った

    今の政府に対して、改めて憤りを感じます。

    今回も、開催や出演を巡る意見の違いで、いき過ぎた分断が生まれる事を心配しています。

    私の思う表現の場は、マスゲームではありません。

    流れが多様なほどに、より自由で、強固で、風通しの良い場が作れると信じています。

    最後に。凄く、ホワイトに立ちたかった。
    この数年、そこへ向けて歩んできたと言っても過言では無い。

    これ以上ない生の実感と、楽しみを諦めてでも、

    私は、私の好きな未来に行きたいと思います。